では
甘柿と渋柿の違いとは・・・
干し柿に用いられる柿は、そのままでは食べられない渋柿であり、乾燥させることにより、渋柿の可溶性のタンニン(カキタンニン、シブオール)が不溶性に変わって(渋抜きがされて)渋味がなくなり、甘味が強く感じられるようになります。(その甘さは砂糖の約1.5倍とも言われています)。
乾燥させずに生食される甘柿とは風味や食感が大幅に異なり、甘柿が苦手でも干し柿は平気で食べる人もいるし、逆に甘柿が好きでも干し柿が苦手な人もいます。
甘柿は渋柿と違って渋抜きをせずに食べられますが、糖度そのものは渋柿のほうがはるかに高いため、甘柿を干し柿にしても渋柿ほどには甘くなりません。
干し柿の表面に白い粉が付着していることが多いですが、これは柿の実の糖分が結晶化したものであり、主にマニトール、ブドウ糖、果糖、ショ糖からなっています。
日本ではかつてこれを集めて砂糖の代用とし、中国ではこれを「柿霜」(しそう)と呼んで生薬としたそうです。
干し柿の材料
干し柿に使う渋柿は、乾燥しやすいよう、果実が小型の品種が用いられることが多いです。
渋柿の主な品種として、日本では、市田柿(長野県伊那谷(伊那盆地)産)や紅柿(山形県上山市原産)、堂上蜂屋柿(岐阜県美濃地方原産)、三社柿(富山県 南砺市(旧福光町、旧城端町))、甲州百目などが挙げられます。
中国では河南省滎陽市の「水柿」、山東省菏沢市の曹州「鏡面柿」、陝西省の「牛心柿」、「尖柿」などが挙げられ、台湾では新竹県の四角に近い形の「石柿子」が挙げられます。
当園の干し柿の品種は、葉山の自然をふんだんに浴びた「ひらたね柿」を使用しています。
製法
日本では、へたに柄と枝の一部の付いた柿の実の果皮を剥き、枝と柄のT字型の部分を紐で結びます。
このT字型の部分を鐘突きの道具に喩えて「撞木」(しゅもく)と呼び、1本の紐に数個から十数個の皮を剥いた柿を結んで「連」となし、雨露を避け、通風をよくするために、柿を結んだ紐を家の軒先などの屋根の下に吊るして、乾燥させます。
この製法から、「吊るし柿」(つるしがき)とも呼ばれています。
撞木を結ぶ紐は最近ではポリプロピレン製が主流ですが、元来は棕櫚の葉、トウモロコシの実の外皮、麻などを使用しました。
干し柿は、完全に乾燥させずとも水分を十分に残して果肉がまだ柔らかい状態でも、渋味がなくなるため、この状態で食べる場合もあります。
こちらは、乾燥させた干し柿と熟した柿の中間的な風味・食感!ただしこの状態ではカビが生えやすく、長期間の保存はできません。
そういった水分を残した干し柿を、硫黄で燻蒸してある程度保存が利くようにしたものを、あんぽ柿といいます。
かつてはそのまま乾燥させたため種が入っていて当たり前であったが、現在は種抜き後に乾燥させる種無しの干し柿もある。
和歌山県かつらぎ町や橋本市などでは小さい柿を竹串に刺して干した串柿が作られており、正月の鏡餅の飾りなどに用いられています。
他国ではどんな製法が?
例えば、朝鮮半島では「곶감」(コッカム)と呼ばれ、日本のように紐で軸をくくって吊し柿にすることが多のですが、籠に並べて天日干しにするものもあります。また竹串にさす串柿も作られるとか!
韓国には、干してから蔕を切り落として中の種を取り、揚げクルミを入れた、または、干し柿を切り開いて揚げクルミを巻いた「곶감쌈」(コッカムサム)と呼ばれるものもあるそうです。
また、ショウガ、シナモンと合わせて湯で煎じ、「スジョングァ」(수정과、水正果)と呼ばれる韓国伝統茶の一種として飲むことも行われそうです。
歴史
他の乾燥食品と同様に古くは冬の保存食の一つでした。
日本に柿が伝わったのは弥生時代といわれますが、文献では平安時代に干し柿の存在が確認でき、927年に完成した『延喜式』に祭礼用の菓子として記載が見られるとのことです。
戦国時代の頃より美濃地方の名産品になっており、織田信長が自領の名物としてルイス・フロイスに贈った逸話があとのこと。
この際、フロイスはおそらく干し柿のことを知らず、干しイチジクの一種と誤解していたそうな・・?(干しイチジクは、ヨーロッパでは一般的なドライフルーツ)
1900年に開催されたパリ万国博覧会に、岐阜県の堂上蜂屋柿が出品されて銀杯を受賞、1904年のセントルイス万国博覧会では金杯を受賞したそうです。
栄養
最も多い栄養成分は「炭水化物」。
水分が減っている分、高カロリーな食品となっていますが、食物繊維も豊富であり他にミネラルとして、マンガン、カリウムも多く含まれています。
柿はビタミンCが豊富で、生の大きい物ならば一個で一日に必要な量は補給できますが、ビタミンCは干し柿にすると無くなり、その代わりにβ-カロチンが増えます!
しかし、食べ過ぎるとタンニンの作用で鉄分の吸収が妨げられるという悪影響があるので、一日に食べる量は1、2個がよいとされます。
付録情報
柿自体に悪酔い防止作用があり、二日酔いの時によく熟した甘柿を一つ食べると気分が良くなるとされています。
迎える12月!そして、「平成」最後の年となる新年!
忘年会・クリスマス・年末年始のおつきあいなどなど、普段にも増して「お酒」を飲まれる機会が多いのではないでしょうか?
当園、葉山の麓で育った「柿」わずかな在庫あります。
干し柿は、もう数日で出来上がります♪
葉山ランドでは、皆様が「健康で活き活き」とした生活を送るお手伝いをさせて頂きたく、日々努力致しております。